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2010年5月26日 (水)

メジューエワのベートーヴェン(1)第4巻 / 第7, 15, 17, 29, 32番

Mejoueva

Beethoven
Piano Sonatas Nos. 7, 15, 17, 29, 32
Irina Mejoueva
録音:2008 / 09年
新川文化ホール
若林工房
Cover painting: 瀧口修造「私の心臓は時を刻む」〜わたしにさわってはいけない

結論:メジューエワのベートーヴェンは気に入った。

この人の演奏はところどころ「ミスをしてるのではなかろうか」「音楽大学生レヴェルの演奏ではないか」と思わせられる【注1】。にもかかわらず、私の錯覚でないなら、この人の演奏はうまいと思わせられる。彼女の演奏は一言でいって癖がない。ただし、彼女の演奏は、独自のスタイルを持つ。その独自のスタイルは、彼女の演奏の「癖」としてわれわれの耳に入る。が、それが「癖」のある演奏に聞こえないのが、彼女の演奏の「秘技」か・・・。多分、メジューエワの演奏は、演奏の仕方が「新しい」。そして彼女の演奏は、古い巨匠のそれに対抗しているかのように聞こえる【注2】。彼女の演奏は、聞いてる最中退屈するが、聞き終えた時にもう一度聴きたくなる。

iMac で聴く限り、録音は良くない。

・作品10の3(第7番)各楽章の「対照」がイマイチ表れていないと思う。

・作品28(第15番)「田園」は風格さえ感じられる【注3】。ゆったりした演奏。

・作品31の2(第17番)「テンペスト」は私の好きな曲ではないので、ノーコメント。

・《ハンマークラヴィーア》途中で退屈するが、第4楽章はよい(というか、この曲も私は好きではない)

・作品111は、ディナースタインと違って癖のない演奏。だがむしろ聞き飽きない演奏。私にとってお気に入りの演奏となるだろう。

【注1】ある意味、即興的。

【注2】若いのに風格を感じさせる。

【注3】メジューエワの『田園』はスティーヴン・コヴァセヴィチの『田園』と正反対の演奏である。メジューエワの『田園』は、まず、第1楽章のソナタ形式に味がある。第1楽章の展開部から再現部に行くところの「間」がよい(そこは、「フェルマータ付き4分休符2つ」が2回。adagio から tempo I )。コヴァセヴィチの『田園』第1楽章において繰り返し奏されるテーマは「またか」と思わせられるように味気ないが、メジューエワの第1楽章はその反対。コヴァセヴィチの第1楽章は、いまどこを演奏しているのか分からなくなるが、メジューエワの第1楽章は、これまたその反対。そして、メジューエワの第4楽章、ロンドのエピソードを聴いて「えっ、このロンドはこんなに面白い音楽だったのか」と私は思った。メジューエワの『田園』は、それぞれの楽章の味を存分に味わわせ、この作品の形式を私に改めて見出させてくれた。

【追1】この人は右手と左手の使い方がおもしろいし、うまい。

【追2】この人への評価は二つに分かれるかも知れない。

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