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2010年5月13日 (木)

シェーンベルクの弦楽四重奏曲第4番作品37の第1楽章(2)

猫大好き様

こういうことでしょうか?

Schoenberg_37_0102
> 譜例2、midi

Schoenberg_37_0102_01

> 「主要主題が原型、完全5度下の反行形、原型の逆行形と3つの異なる型
> をつないで作ってあり、1つのまとまったフレーズ」というのは
>
> 1.基礎音列(6小節目はじめまで)2.基礎音列の5度下を反行させたも
> の〔基礎音列全体をまず5度下げ、短二度下がる動きは短二度上げ、短三
> 度下がる動きは短三度上がる(ゆえに初めのd- cis-aの動きは全体が5度下
> がったg音から始まり、g-as-cという動きになる。〕(6小節目3拍目から
> 9小節目2拍目まで)

【追記】
> (6小節目3拍目から
> 9小節目2拍目まで)

9小節目2拍目(緑の線)は下がり過ぎのような気がするのですが。

Schoenberg_37_0102_02

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コメント

その通りで、KMさんがそれぞれ赤線でつないだ音同士が対応するということです。

>9小節目2拍目(緑の線)は下がり過ぎのような気がするのですが。

12音技法の場合、絶対的な性質としての音名が大事で、それぞれ対応すべき音「名」(緑の線の場合はそれぞれhとb)が一致していれば、音高そのものは問題になりません。

この作品のこの部分では独立した旋律主題だけで(3回繰り返される音列の連続で)12音(×3)を充足していますが、本来12音技法は旋律も和声もすべてひっくるめた「場」として12音すべてが使われないと次の12音の塊(基礎音列から派生した)に進むことはできません。

現在12音技法を詳細に解説した本はほとんど出版されておらず(昔はヨーゼフ・ルーファーやレイボヴィッツなどの本が出ていたのですが)本で参照するのはなかなか難しいのですが、わかってしまえばあっけないほど簡単で、幼稚とも言える原理に基づいています(ただし、それで聴くに堪える作品を書くのは至難で、その点カンディンスキーらの抽象絵画と似ている点がありますが)。

スコアに基づいて調べるのならシェーンベルクが全篇12音技法で書いた初めての作品、作品25のピアノ組曲を見るのがいいと思います。2段のスコアで見やすいですし・・・。

ちなみに、おせっかいついでに、
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2730385
このCDはぜひ聴いていただきたいです。
私の思うにシェーンベルクの管弦楽曲はラトルの指揮が一番いいと思います。安いので、もしKMさんの気に沿わなくても薦めやすいというのもありますし・・・

ライプツィヒ四重奏団のシェーンベルクはいいですね。私も大いに気に入っています。

ではまたよろしくですー

>その通りで、KMさんがそれぞれ赤線でつないだ音同士が対応するということです。

ありがとうございます。良い勉強になりました。

以下、箇条書き
1)ジュリアードのシェーンベルク4番(1952)
http://www.hmv.co.jp/news/article/803260107/
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2712382
を入手したのですが、すごい演奏です。残念ながら廃盤。

2)シェーンベルクの弦楽四重奏曲第4番作品37の第1楽章は「マイスタージンガーの前奏曲」に似ている。
ワーグネリアンである私は、なんでもワーグナーに結びつけたくなりますが、この第1楽章は、無理矢理こじつけますと「マイスタージンガーの前奏曲」に似てると思います。理由は、この第1楽章は、あれこれ道草して迷ったあげく、結局、冒頭の主題に戻ろうとしていると感じたからです。ワーグナーの「正反合」つまり、紆余曲折を経て、最後は止揚されるというストーリー性です(といっても、マイスタージンガーはザックス個人崇拝に終わる)
この第1楽章は、なんとなく、ソナタ形式であるだけでなく、ワーグナー形式(?)に近いような気がします。
このこじつけをいつか(このブログに)書きたいです。

3)譜例2を差し替えました。最後から2番目の音が間違ってました。cis ではなく、c ですね。この反行形は、本当に、単純ですね。

あと、
シェーンベルク:管弦楽曲集、浄められた夜 ラトル&バーミンガム現代音楽グループ、アルテミス四重奏団、他
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2730385
注文しました。

あと一つ忘れてました。

平均律第1巻のロ短調のフーガの主題は、12音でしたっけ?

>平均律第1巻のロ短調のフーガの主題は、12音でしたっけ?

いくつかの音は反復しますが、12音すべて使われるはずです。これをもって12音技法の正当な根拠とシェーンベルクらは主張したこともあります(あとリストのファウスト交響曲の冒頭主題も)。

シェーンベルクの作曲法の特徴は無調志向のほかに

1.徹底して動機の展開をはかる(ソナタ形式の展開部に限らない)
2.拍節から外れた極めて突発的な印象を与える動機、主題(これはブラームスから影響を受け、特に中期の自由な無調時代に顕著)

があげられます。
12音技法を確立してからは特に2の要素が薄れ、リズム、楽式において新古典的になりますが(この点をシュトゥックハウゼンなどは「音の間違った調性音楽」と非難しています)、こういう点もカンディンスキーの後期作品とつながる面がありますね。

>譜例2を差し替えました。最後から2番目の音が間違ってました。cis ではなく、c ですね。

書き間違えました。
差し替え前の譜例2。
第13小節目のラの音にシャープをつけてましたが、正しくは、ナチュラル。
midi ファイルも差し替えました。

>拍節から外れた極めて突発的な印象を与える動機、主題(これはブラームスから影響を受け、特に中期の自由な無調時代に顕著)

やはり、新「ウィーン」楽派というぐらいだから、ワーグナーじゃなくてブラームスですか。私はブラームスは苦手です。というより好きじゃない。
もちろん、シェーンベルクに限らず20世紀の作曲家は、マーラー、ワーグナー、さらにはベートーヴェンの影響も大でしょうね。

ーー

ところで、猫大好きさんは、バルトークはお嫌いですか? 私は好きです。

私が、シェーンベルクにはまった理由は、ヤーノシュ・カールパーティの
「バルトークの室内楽曲(ISBN-10: 4588420062 / ISBN-13: 978-4588420061 法政大学出版局)」
を読破してやろうとして、途中でシェーンベルクの弦楽四重奏曲のことが引用されていたからです。シェーンベルクの弦楽四重奏曲が出てきたところで、その本の読書が中断されました。したがって、私はまだその本を、400ページ中、90ページしか読んでいません。

あ、それから、シェーンベルクの弦楽四重奏曲第4番作品37の第1楽章の冒頭、6小節目から第2ヴァイオリンになる理由は何なのか分からなかったのですが、これは、

基礎音列 <第1ヴァイオリン
5度下を反行 <第2ヴァイオリン
逆行 <第1ヴァイオリンですね

こういうのは、まともなオーディオでないと、効果的な音が聞けない。

いまは、聞けません。


ーーー


グールドのブラームス
op. 116 - 118 をいま、iMac で聴いてるんですが、これは、どこが面白いんですか。

お返事遅れて申し訳ありません。

>ところで、猫大好きさんは、バルトークはお嫌いですか? 私は好きです。

私はバルトークは大好きです。私のブログに

>近代音楽が文化的背景、ロマン派の様式からの脱却過程、作曲家相互間の交流、影響、触発という観点から興味深いです。

と書いているとおりで、シェーンベルク、ウェーベルン、ベルク、ドビュッシー、サティ、ラヴェル、バルトーク、ストラヴィンスキー、ヴァレーズなどなどそれぞれ個性的な綺羅星のごとき作曲家連が同時期に現れ、しかも相互に交友を持ったり、(直接の面識はなくても)出版されたばかりの楽譜を調べあったりする関係で、ほかの芸術分野(絵画や文学、建築など)とともに、この時代の知的変革は興奮させられるものがあるのですが、上記の作曲家たちの中では私はバルトークが一番才能、(音楽表現における)知性があったと思います

バルトークの作曲法の特徴は音程におけるフィボナッチ数列と楽式における黄金分割ですね。
「バルトークの室内楽曲」の本は私も知ってますが、私としては(我々のような音楽愛好家の立場からすれば)

http://www.geocities.co.jp/HeartLand/8591/baltok.html

http://k-pj.com/ob/ddata/detail.cgi?df=Pother&dp=4-8121-&db=0163-8&dn=5320t

この2冊が実に面白いです(これらもまた絶版なのですが・・・)。
また機会があれば図書館で取り寄せるなりで読んでみてください。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/529830

すでにご存知かもしれませんが、このCDは良いです。6枚組で、高いですがその価値はある。

>グールドのブラームス
op. 116 - 118 をいま、iMac で聴いてるんですが、これは、どこが面白いんですか。

魅力を語ることはできないでもないですが実に難しい・・・というよりめんどくさい。実際にピアノに向かって説明するのなら楽なのですが。

以前の私の

1.徹底して動機の展開をはかる(ソナタ形式の展開部に限らない)
2.拍節から外れた極めて突発的な印象を与える動機、主題(これはブラームスから影響を受け、特に中期の自由な無調時代に顕著)

のうちの1のことをシェーンベルクは発展的変奏(developing variation)といい、2
のことを音楽的散文(musical prose)と言いましたが、この二つの萌芽が見られる作品とだけ言っておきます。

1のほうは割と了解されやすいですが、2のほうは、例えばバロック、古典派や多くのロマン派の音楽の規則的な拍節を刻むリズムが「韻文」とされ、音楽的散文ではそういった拍節からの自由な離脱(ストラヴィンスキーの行ったリズム革命とはまた違います)が意識的に行われています。

あまり詳細に説明するのは手間なのですが、またブラームスにも触れていってくださいね(湿っぽいので嫌いだという気持ちは良くわかりますが)

http://www.hmv.co.jp/product/detail/775537

ブラームスの本領は室内楽曲にあるといってよく、CDではこれがお勧めです。

あとバルトークのげんかるでは

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1076101

これが良いらしいですね。私の友人のvn.vl弾きも絶賛してました

猫大好きさん、ありがとうございます。

ブラームスの作品に好きな作品はありますが、彼の作品は多すぎて、それらを購入するお金も、それらを深く聴く時間も余裕も残念ながらありません。

私も、もう50才ですから、残された時間で聴ける音楽には限りがあります。

ブラームスの革新性を聴くより、それを発見し応用した作曲家を聴くほうが合理的。そして、ブラームスを聴く必要が生じた時に、それを聴くのが合理的です。

そして、結論を言えば、いまの私は、ブラームス以外の音楽を聴くことで、精一杯です。

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