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2009年9月22日 (火)

キース・ジャレットのヘンデル


Jarrett


HÄNDEL
SUITES FOR KEYBOARD
KEITH JARRETT, piano

Suite HWV 452
Suite HWV 447
Suite HWV 440
Suite HWV 433
Suite HWV 427
Suite HWV 429
Suite HWV 426

Recorded 1993
ECM

これは、ヒューイットのヘンデルより良い。

ジャレットは、ジャズミュージシャンなので、クラシック音楽専門のピアニストと比較されても、良ければ良いで褒められて、悪ければ「そもそもジャズミュージシャンなのだから」と、大目に見られるという有利な立場にあるかも知れないが、そういう聴き方は本来的ではないであろう。しかし、ジャレットのジャズミュージシャンという肩書きは、彼の演奏を受け入れるときに、リスナーに、何も前提を与えないということはないであろう。

このヘンデルに関しても、ジャレットは自由に楽しみながら弾いているという感じがする。彼の立場では、演奏者が楽しく弾けて、リスナーもまた楽しめれば、それでよい。ところが、ヒューイットの場合、彼女の演奏には、楽しいだけの演奏以上のものが求められるのではなかろうか。それは何かというと・・・ひとつには、若いピアニストの模範(手本)になる演奏。逆から言えば、ジャレットの演奏は、若いピアニストの模範にはならないだろう。

ジャレットのヘンデルは「リズム」「声」「和声」いずれもよく弾きこなされている。しかし、即興的で行き当たりばったりの演奏に聞こえる。彼は、スコアを見ながら演奏しているとすれば「スコアの通り演奏しているうちに、思いがけない演奏になってしまった」という演奏に聞こえる。そういう即興性は、実は、ヘルムート・ヴァルヒャやバックハウスにも私は感じるのだが、ヴァルヒャやバックハウスの場合、例えば彼らの全集録音における統一感を私は感じるのに対して、ジャレットのヘンデルにはそれがないように思える。ヴァルヒャやバックハウスがバッハやベートーヴェンを無数に弾いてるうちに即興性を見いだしたのに対して、ジャレットはそうではない・・・ということではないかと思う。

とはいうものの、私は、このヘンデルはかなり気に入っている。これはジャレットのクラシック音楽の録音の中では、ベストではないかと思う。

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