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2009年6月17日 (水)

煮ても焼いても食えない作品 予告編

「煮ても焼いても食えない作品」が3つある。
「煮ても焼いても食えない」とは、良い意味では「その作品に非常な魅力を感じるが(そして多くの演奏を聴き比べするが)その魅力の正体が分からない作品」の意であり、悪い意味では「そもそも、その作品は失敗作ではないかという疑念を抱かされる作品」の意である。それらの作品は下記の共通点を持つ。

1. 長い
2. 最初のテーマが最後に再現される
3. 2. に関連するが「(音楽が)最後に最初のテーマへと回帰するため最初から答えが見えるか、あるいは最初から答えが見える構造になっているので何度も聴いているうちに面白くなくなる」あるいは逆に「言いたいこと(答え)が分からなくなる」

もったいぶらずに書くが、その3作品とは、

1. ゴルトベルク変奏曲
2. 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》
3. ブルックナー作曲交響曲第8番ハ短調

これらの作品の共通点は上記3つ以外にもう一つある。

4. 決定盤が見つからない。

ただし、ブルックナーの8番については、決定盤の目星はついている。また、ブル8は、少なくとも失敗作ではないことも分かってきたし、また、その魅力を素直に受け入れることができるようになってきた。そして、あと、もう少しのところでその作品の良さを言葉で言い表せそうである。

それぞれの作品の演奏の聴き比べについては下記のとおり。

1. ゴルトベルク変奏曲(18種類)
私は、ディナースタインイサカーザの演奏が良いと褒めたが、その後、作品に対する考えが変わって、その二つが決定盤であることを確信できなくなった。

2. 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》(13種類)
1937年のトスカニーニ以外はどれも良くない。そしてそもそもトスカニーニ盤もまた録音が古すぎて(音質が悪すぎて)、評価不能であると言わざるを得ない。

3. ブルックナー作曲交響曲第8番ハ短調(30種類)
ブル8は良い演奏が多いと思う。むしろこの作品は聴いても聴いても聴き尽くせない。良い意味で、食い尽くせない作品だと思う。(つづく)

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音楽」カテゴリの記事

コメント

ゴルトベルクに関してはシェプキン(schepkin)が面白いのでよかったら聞いてみてください

http://www.amazon.com/Goldberg-Variations-Sergey-Schepkin/dp/B000001Z2K/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=music&qid=1248003267&sr=8-2

これは海外アマゾンのURLですが、ここで視聴できます

猫大好きさん
ありがとうございます。

>ゴルトベルクに関してはシェプキン(schepkin)が面白いのでよかったら聞いてみてください

取り寄せます。


私がいま持っているものの中では、

ゴルトベルク変奏曲(1991年),Vladimir Feltsman, piano
ゴルトベルク変奏曲(1989年),Lars Ulrik Mortensen, cembalo

が、面白そうなので、じっくり聴き直してみたいと思っています。
上の2つの他に私が所有するのは下記です。
何かご意見があればお聞かせ下さい。


ゴルトベルク変奏曲(1955年),グールド
ゴルトベルク変奏曲(1961年),ヴァルヒャ
ゴルトベルク変奏曲(1976年),レオンハルト
ゴルトベルク変奏曲(1981年),グールド
ゴルトベルク変奏曲(1988年),Huguette Dreyfus
ゴルトベルク変奏曲(1989年),Keith Jarrett
ゴルトベルク変奏曲(1992年),Pierre Hantai
ゴルトベルク変奏曲(1998年),曽根麻矢子
ゴルトベルク変奏曲(1999年),Angela Hewitt
ゴルトベルク変奏曲(1999年),Evgeni Koroliov
ゴルトベルク変奏曲(2003年),Pierre Hantai
ゴルトベルク変奏曲(2003年),Martin Stadtfeld
ゴルトベルク変奏曲(2004年),イサカーゼ Irma Issakadze
ゴルトベルク変奏曲(2005年)14 Goldberg Canons BWV 1087,Richard Egarr
ゴルトベルク変奏曲(2005年),Simone Dinnerstein
ゴルトベルク変奏曲(2007年),藤原由紀乃

意見は語れるほどじゃないですが、ヒューイットの平均律新盤を恣意的と感じたり、グールドのゴルトベルクをそれほど好きでなかったり、コヴァセヴィチのベートーヴェンピアノソナタの低評価といい、KMさんの意見は私とよく合ってるので読んでて共感できる面が多く、読んでて楽しいです。やはり人は評論家に惑わされず、素直に自分の感性に従って生きるべきだと改めて思います。
しかしKMさんは美女演奏家の紹介が多いですね。演奏がよく、容姿もよいとなればなおいいですね。以前CD屋でイリーナ・メジューエワのベートーヴェンソナタがかかってましたがそれもいい演奏でした。それもいつか機会があれば聞いてみてください

猫大好きさん
ありがとうございます。

私の意見は、ちょっとひねくれているので、
共感のお言葉に大いに励まされます。

>素直に自分の感性に従って生きるべきだと改めて思います。

5年後10年後、自分が取り上げた演奏の評価がかたまって、
自分の感性が正しかったことが、明らかになったりすることを期待して書いてます。

ところで、くだんの Sergey Schepkin のゴルトベルク(amazon.com)は、

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0010L0RUQ/

と同じでしょうか。

>KMさんは美女演奏家の紹介が多いですね。

ばれました。
私は美人に弱いのです。

たぶん同じだと思います。日本盤だとちょっとシックになったりしてますね。

何度もすいません。この間は取り寄せたCDがまだ来なかったので、保留してましたが、ゴルトベルクではピアノ版ではテューレックのFonovoxレーベルから出てる1988年ライブ(今日届きました)、チェンバロ版では
http://nekossika.blog27.fc2.com/blog-entry-162.html
この記事に書いているように同じテューレックのソニー録音がいいと思います。

あと、私もマイスタージンガーではトスカニーニの演奏以外考えられませんが、音質に関しては
http://nekossika.blog27.fc2.com/blog-entry-151.html
ここで書いたとおり、Historyのリマスタリングがお勧めです。これが一番聞きやすいです。

フェルツマンはパルティータが優れていますね。彼の演奏だとあの技巧的な作品のどれもきちんとした「舞曲」になって、拍子が実に取りやすいです

>何度もすいません。

いいえ、かまいません... と言いたいところですが、ちょっと混乱してきました。
優先順位をつけるとしたら、どうなりますでしょうか?

シェプキン
テューレック モダンピアノ Fonovox
テューレック チェンバロ ソニー

>私もマイスタージンガーではトスカニーニの演奏以外考えられません

本当に嗜好があいますね。


フェルツマンは平均律をゲットしましたがよかったです。パルティータは確かに評判いいで購入したいのですが、金欠なのだ。

あwシェプキンはあくまで「面白い」といった性質のものなのでwフェルツマンのもうちょっと穏健バージョンでしょうか。KMさんが紹介してるのが最近のピアノ演奏が多かったので特に勧めてみたまでです。まあ一聴の価値はあると思いますよ。ただ金欠なら特に固執する必要はないと思います…(私も金欠で、気持ちはわかります)。

テューレックチェンバロ演奏は
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1811703
HMVでのリンクがこれですが、2枚組で安く、おまけに余白のピアノ小品の演奏が素晴らしいので、それを聞くためだけにでも買う価値はあります。もしゴルトベルクで一つ勧めるとしたらやはりこれでしょうか

>テューレックチェンバロ演奏は
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1811703

では、まずはこれを入手してみます。

あと、私のブログから猫大好きさんのブログにリンクはらせてもらっていいでしょうか?

あー。僕は構いませんが、僕のブログに妙な粘着荒らしがいて、2ちゃんにブログ貼り付けるわ、なりすまして掲示板や通販サイトで妙なレビューや発言するわでごたごた多いのでやめたほうがいいと思いますよ(そのHMVのテューレックチェンバロ演奏に妙なレビューついてるのもそれです)。まあKMさんにまでごちゃごちゃやってくることはないと思いますが、一応そのことを心に留めておいてくださいw僕個人としてはリンクはかまいませんので、KMさん次第ということでw

なんか大変みたいですね。
しかし、リンクはらせていただきました。ありがとうございます。

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