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2009年4月16日 (木)

SACD の利点

「ヒューイットの平均律新盤」で書いたように、当該CDや、ディナースタインのゴルトベルク第29変奏で、私のSACDプレーヤはノイズを拾う。そのノイズは同じ性質のものであり、原因は音盤にあると思う。同様のノイズは、バーンスタインのマーラー全集旧盤輸入盤(NYP)でも聞かれた。

ようやく気がついたことは、SACD盤では、その手のノイズにお目にかかったことはないということ。そしていま、SACD の利点はそこにあると感じる。

ちなみに、私の環境では、SACD Hybrid 盤を「marantz sa - 11s1」および「sa - 7s1」の「SACDモード」と「CDモード」とで聴き比べた場合、その差異を私は認識できない(ヘッドフォンアンプ 東京サウンド Valve X SE、AKG K-501)。その理由は、私の耳が悪いためなのか、環境のせいなのか、わからないが、論理的に言って、もし、SACD Hybrid 盤の「SACDモード」と「CDモード」の音質に差異がないと前提すれば、SACD盤を、SACD プレーヤで聴く利点はなにかと考えた時、その利点は、さしあたって上記ノイズがない音を聴けることだと思う。

繰り返すが、SACD 層には、固有の音質の優秀性が存在するなら、SACD Hybrid 盤において「SACDモード」と「CDモード」の差異が明らかなはず。ところが、私にはそれが分からない。もともと、SACD Hybrid 盤に記録されている音は、録音自体が優秀なのではないかと思う(original DSD Recording)。そして、その音盤を、SACDプレーヤではない(普通の)CDプレーヤで聴いたとしても、その音は(余程耳が良い人でないとわからないほど)SACDプレーヤ再生音並に良いのではないかと思う。

よって、ノイズの有無が、SACD の利点。

【まとめ】
下記2点を前提すれば、

1. SACD Hybrid 盤を「SACDモード」と「CDモード」で聴き比べて差異がない。
2. SACD Hybrid 盤を、SACDプレーヤの「CDモード」で聴くことと(普通の)CDプレーヤで聴くのは同じことである。

下記のことが言えると思う。

「SACD Hybrid 盤をSACDプレーヤで聴く利点」は無し。(つまり、SACD Hybrid 盤は普通のCDプレーヤで聴いても音質は劣らない。ただし、5.1チャンネルについてはノーコメント)

【追記】
SACD 盤に「ヒューイットの平均律新盤」のようなノイズが発生するものがあれば、話は別だが....。
そういう音盤を発見したときはまた報告します。

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コメント

SACDとCDの差は顕著だと思うのですが・・
すぐ分かるレベルな様な・・

コメントありがとうございました。

SACD Hybrid 盤を「SACDモード」と「CDモード」で聴き比べた場合、その差は顕著ですか?

私は、ティルソン・トーマスのマーラーで、ブラインドテストしてみましたが、識別できませんでした。

SACDとCD違いは歴然とありますし、その違いはおっしゃるような「ノイズ云々」ではありません。
ブラインドで比較試聴しても十分聴き分けられるレベルの違いがあります。可能なかぎりボリュームを上げて聴き比べてみてください。CDはやかましくなりますが、SACDはなりません。
ハイブリッドの場合SACDとCDではマスターテープが異なる場合がありますので、おっしゃるようなノイズの有無はひょっとするとマスターテープが違うことに起因するかもしれません。

なるほど。

>CDはやかましくなりますが、SACDはなりません

いま、シモーネ・ヤングの「ブルックナー8番 SACD CD ハイブリッド盤」の第4楽章をかなりの大音量で聴き比べてみましたが、ご指摘のとおり、CD モードでは、CD 独特の音の粗さが聞こえるのに対し、SACD モードでは、柔らかい音がするような気がします(飽くまで気がする)。ただし、私は、音楽を、こんな大音量では聞きません。

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/8-5920.html

CD と SACD の違いの一つに容量の違いがあると思うのですが、

>SACD層の1層あたりの容量は4.7GBで、物理的な構造ではCDというよりはDVDのそれに近い(ウィキペディアより)

それならばなぜ、シモーネ・ヤングの「ブルックナー8番」(82分37秒)は、2枚組なのか? 1枚に収まらなかったのか?
おそらく、SACDプレーヤのピックアップが、SACD層とCD層の同じ場所をトレースするからだろうと思います。
つまり、この商品は、CD の規格の演奏時間に制限されているのだと思います

本来、シモーネ・ヤングの「ブルックナー8番」を、SACD層のみの商品にすれば、1枚に収まるのに、それを2枚組にしたのですから、4.7GB x 2 = 9.7GB の容量に「ブルックナー8番」を収めたことになります。であれば、CD vs. SACD に、もっと大きな音の差があっていいのじゃないかという疑問も抱きます。

CDとSACDの差について、デジタルカメラで撮った写真を例えにしてとらえると理解しやすいのでは?
CDは650万画素のデジタルカメラです。SACDは4700万画素のデジタルカメラです。双方とも同じ対象を撮影すると、写真を見たときに同じに見えますよね。用紙サイズがL判や2L判だと、両者の違いは全く分からないはずです。しかし、用紙サイズをA3とか、A2くらいにすると、両者の違いは歴然とします。650万画素では、細部まで描くことが不可能です。それに対してSACDは、細部まで克明に描くことが出来ます。
この用紙サイズを、CDやSACDでは、再生装置の質ととらえると、わかるのではないでしょうか。仮に、SACDラジカセがあるとすると、それではCDとSACDの違いを聞き分けることは出来ないでしょう。しかし、それ相応の装置で再生すると、両者の違いがはっきり分かるでしょう。
もうひとつ。せっかく4700万画素のカメラで撮影しても、ピントが大きくぼけていると、650万画素の写真と変わらないように見えてしまいます。SACDでも、その音源の質がそれに見合ったものでない場合は、SACDの良さを実感できないということになります。つまり、CD vs. SACD にはっきりとした音の差を実感するには、SACDの音源の質と、相応の再生装置が必要であると言うことになると思います。

パヴァンヌ さま

分かりやすいご意見ありがとうございました

お久しぶりです

私はコリン・デイヴィス指揮のマラ8をブックオフで500円で購入、聴いてからSACDの魅力に目覚め、それからは定価でもせっせと買っていますが、やはり大規模編成曲(声楽合唱をも含むような)で違いがはっきり分かるように思われます

バッハオルガン曲とシューベルト歌曲でも持っていますが、こちらではごくかすかな残響の空気感の維持を感じ、こういう媒体なら古楽器の音がしょぼいというような印象もなくなると感じました(シューベルト歌曲の伴奏がシューベルト自身も使用したピアノだった)

特に現代曲を聴くならやはりSACDが強力かと思っています

あと、今パヴァンぬさんのコメントを読んでみましたが、私の経験としてしょぼいオーディオ装置でも充分に音質の変化はわかりますw

猫大好き様 ご指摘有難うございました。確かに最近の高音質化されたSACDでは、どんな装置でも音の違いが分かりやすいかも知れませんね。それと、猫大好きさんの聞き取りの力が高いこともあると思います。私の経験ですが、かなり以前米製のハイブリッド盤を購入したとき、違いがあまり分かりませんでした。CDでストレスを感じて、SACDを注意深く聴き直すとストレスなく聴けることに気づきました。CDはデータ圧縮により、音成分が不足しているためでしょう。
昨日、アナログとCDを聴き比べてみました。カイルベルトの「新世界」です。CDはスカッと明快ですが、音の厚みに欠けていました。アナログは、もやっとして余分な音(サーフェイス・ノイズ)も拾いますが、音が充実していました。アナログが衰退し、CDに切り替わった理由もわかりますが、今となってはアナログの良さも捨てがたいと思います。私は、パッケージメディアでは、双方の良さを併せ持つSACDに切り替わってほしいと願っています。

コメントありがとうございます

以下、雑文

1。シングルレイヤー SACD は、コピー不能ですよね(コピープロテクトと同じ?)。
SACD が登場した当時、私は「SACD は、コピープロテクトの機能を目的の一つとして開発された」と思ってました。

2。かく言う私も、最近、SACD ばっかり買っている(聴いている)。
シュタインバッハーのプロコフィエフ、児玉麻里、小菅優のベートーヴェンとか。
SACD と CD の違いが分からなかった私もいつの間にかSACD の音に耳が馴染んで来た???

遅ればせながら、パヴァンぬさん

たしかに一般のCDとほとんど差がないSACDも(今でも)たまに見かけますね

あと、たしかにアナログの独特の力感、質感は魅力的ですね
クリアで明快な分離のSACDと質量感を感じさせるアナログといったところでしょうか

そういったアナログの雰囲気をかなり再現していると思われるのが今はなきyedangレーベルの諸々のCDです
私は最近これを聴いたときショックを受け、以来ブックオフや中古屋で見つけ次第買っています。だいたい500円ほどで手に入るのがうれしい。
これはぜひ聴いてほしい

KMさんの最近のいくつかの記事では日本の女流ピアニストが話題になっていますが、たしかに日本のピアニストはどこか「もさい」ですね。
音大のお勉強臭さが必ずどこかに残っており、突き抜けたものがほとんどない。芸術というより教養といった感じです
ただ、某本で河村尚子が絶賛されており、サンプラーCDで聴いてみたら、確かにこれはすごい。日本人離れしており、別格といった感じで、海外の一流ピアニストと渡り合える器量があります

コピーコントロールCDは何でも再生するとCDプレーヤー自体に過度の負荷がかかっていかれてしまうとか・・・
それを知らない時にケーゲルのウェーベルンを買って聴いて楽しんでいたのですが、今では怖くてもう聞けない…
ハインツ・レーグナーのブルックナーとかも興味あったのにー
そういうものは通常SACDで出てほしいと思っています

猫大好きさん

私は、小菅優、児玉麻里は好きですよ。特に小菅は気に入りました。
児玉には不満ありですが、うまい。あと、ジェニー・リン、HJリム、シュ・シャオメイ(この人は別格の大物)などアジアの演奏家が頑張っているのもうれしいし、あたしゃその人たちが好きです。アラベラ・シュタインバッハー、アリス・オットなど日系人も好きダ・・・それに彼女ら日系人が頑張っているのもまたうれしい。

なぜ、最近、クラシック音楽のアーティストは男より女のほうが面白いのか?
女は、最近まで、クラシック音楽というジャンルで被差別下にあった。それが逆転したから・・・
女は体力のハンディをカバーしようとする。したがって、男より新しいことなどを試みるとか etc...
もっとも、昔から、すぐれた女性アーティストいました。しかし、アルゲリッチとかデュ・プレは紅一点じゃなかったかなあ。

むかし、作曲家、指揮者には女はいなかった。クラーラ・シューマン、アルマ・マーラーは、性差別のハンディがなければすばらしい作品をもっと書けたかも・・・いまは、女指揮者も・作曲家も素晴らしい。

大相撲もグローバル化したし・・・関係ないか・・・

(つづき)

猫大好きさん

河村尚子は、何を聴かれましたか?

ブックオフで105円で買ったレコ芸の付録についていたサンプラーでシューマンの作品でした
ソナタだったかな?

ちなみに河村尚子を絶賛しているのはクラシックジャーナルの雑誌
この本は信頼がおけて読んでいて実に楽しいです

さっきブックオフでランラン買ってきたけど(500円)この演奏はひどいな…

猫大好きさん

河村尚子(かわむら ひさこ)のシューマン:ウィーンの謝肉祭の道化芝居『幻想的情景』 Op.26
良さが分かりませんでした(汗
(曲自体がよく分からない)
http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-7df3.html

彼女のショパン3番が好きです。
http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/3-231f.html

すでに聴かれてましたか…

ひょっとしたらと思いましたが(なんとなくこのブログで既視感があった)

あとピアノ関係で言えばペライアのゴルトベルクはまあまあいいとして、アンドレアス・シュタイアーの演奏が興味を引くところです。いずれ買ってみようと思います

最近は色んな演奏解釈がバンバン出て数年で置いてかれる気がする…

エムズさま、お久しぶりです。「耳鳴りと死ぬまでお付き合い」で書き込みしました杉ちゃんです。
エムズさん、その後耳鳴りの方は如何でしょうか?、小生は、加齢難聴も加わりまして、左耳は6000Hz
も危うい状態です。

それでも最近SACDPを購入しました。(オーディオマニアの性と言うもんでしょうか・・・笑)
・・・で、通常のDA-CDとSACDと聴き比べをやっちゃいましたね、まず、CD盤で試聴を1週間続けて、脳内
に焼き付けておきます。(慣らしておくといった方が適切でしょうか)、1週間後、同じ曲を今度はSACDで試
聴するのですが、「ありゃ?、違いが判らない」しいて言えばSACD盤の方がダイナミックレンジが広いかなぁ
と言う程度(それも注意しなくては聴き取れない)

つまり、SACDというのは、それくらい高度な次元での違いなのだ・・・と私は感じましたねぇ~。コンサート並
みの音を家庭で聴きたいなら究極のミュージックメディアとしてメインにするのは正論だと思います。
しかし、私はいくら音が良いといっても、興味のない作曲家のSACD盤は聴かないでしょうねぇ~。

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