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2009年3月27日 (金)

イサカーゼのゴルトベルク


Issakadze


BACH
GOLDBERG-VARIATIONEN
IRMA ISSAKADZE
OEHMS
2004年録音

この《ゴルトベルク》を、私はえらく安く買った気がするが、いまは、値が上がっている。値段が上がったということは、演奏が高く評価されたということだろうか。それとも、単にレアな商品であるからだろうか。値段で、演奏を評価するのは意味ないが、私は、この《ゴルトベルク》が気に入っている。

この人の演奏は、装飾音やリズム、声の発声の仕方など、技術的にうまいのかどうか分からない。ただ「グールドと似ている」という視点による評価はやめて欲しい。グールドの《ゴルトベルク》は、数あるモダンピアノによる《ゴルトベルク》の演奏例の一つに過ぎないと思う。その後に、モダンピアノによる《ゴルトベルク》は多くの録音がなされ、そして、それらのなかに、グールドを超えるものはあると思う。だから、グールドの《ゴルトベルク》をモデルにするのは、もう古い考えだと思う。

イサカーゼの《ゴルトベルク》は、グールドの解釈に似ているが、たとえそうであるとしても、それは偶然だろう。繰り返すが、たとえイサカーゼの《ゴルトベルク》がグールドのに似てるとしても、その理由の一つは、使っているピアノの音色が似ているからだと思う。イサカーゼが弾いているピアノは、Shigeru Kawai SK7 である。このピアノがどういうピアノか知らないが、音を聞く限り、その音色は、軽く明るく美しい。そして、鍵盤のタッチが軽いように聞こえる。軽いにもかかわらず美しい音色はグールドが好んだ音色である。

私は、イサカーゼのほうが、グールドより声の発音のさせ方がうまいと思う。この人の《ゴルトベルク》は、ヘッドフォンで聴くと、左チャンネルに右手、右チャンネルに左手が録音されている効果が面白い。右チャンネルの左手がほぼ完全に左チャンネルの右手と分離して聞こえる。さらに、左チャンネルの右手の2声もよく聞こえる。しかしながら、それでも技巧的に巧いと思えないのが不思議であり、面白い。

ディナースタインのがムードで聴かせた《ゴルトベルク》だとすれば、イサカーゼのは各変奏曲の性格をよく伝える演奏だと思う。たとえば第13変奏の、のどかさは効果的だと思う。ただし、後半は少しだれる。彼女は(多分)全変奏曲をリピートしている。演奏時間は、CD 2枚で合計85分。

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