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2008年9月30日 (火)

ベートーヴェンの第九交響曲を聴き比べる(5)

542


Beethoven
Symphony No. 9
Helena Doese, soprano
Marga Schiml, alto
Peter Schreier, tenor
Theo Adam, bass
Rundfunkchor Leipzig
Chor der Staatsoper Dresden
Staatskapelle Dresden
Herbert Blomstedt
1980年録音
BRILLIANT CLASSICS
Licensed from Edel Classics GmbH

演奏時間
第1楽章 16'55
第2楽章 13'48
第3楽章 16'24
第4楽章 25'09

この録音は、Rundfunkchor Leipzig, Chor der Staatsoper Dresden の合唱が素晴らしいし、よく録れてる。4人の独唱者の歌唱も充実しているが、私の嗜好からすれば端正すぎる。もっとオペラ的に歌ってほしかった。

ブロムシュテットもまたサヴァリッシュと同様、第1楽章から第3楽章までより、第4楽章が良い。

サヴァリッシュの第九には、ライヴの良さがあったのに対し、ブロムシュテットのそれには、スタジオ録音の良さがある。録音年は1980年。アナログ録音である。その点、惜しい気がする。このCD盤で、アナログ盤の良さが十分伝わるのか...。

スタジオ録音の良さとは、安定感、練られた音、また指揮者の解釈が忠実に伝わることなどであるが、スタジオ録音でも、録音環境、プロデュース、録音技術の良し悪しで、それらが得られない場合がある。このブロムシュテットの第九はうまくいっていると思う。スタジオ録音、ライヴ録音それぞれに良さがあるが、そのいずれにも属さないのが、あのくだらないフルトヴェングラーのバイロイトライヴであろう。

そもそも、ベートーヴェンの交響曲は、スコアの通りに演奏すれば良い演奏になるようにできてる(バックハウスを聴けばわかるようにピアノ・ソナタもそうである)。スコアにある記号こそ、ベートーヴェンの作品のすべてであり、よく言われるようにスコアに始まりスコアに終わる(だからこそスコアの校訂をやってるのではないのか)。この第九交響曲は、まさにその最たる例であり、スコアの最も忠実な再現が良き音楽となる。すなわち、ベートーヴェンの第九交響曲は、明快であるばかりでなく、ある意味、透明な作品なのである。

あとは、それに指揮者の器量と個性とが加わるわけだが、それらによって「ベートーヴェンが言いたかったこと」を曲げられてはならない。グールドはテンポを無視することでミスを犯したわけだが、フルトヴェングラーのバイロイトライヴはもっとひどい失策である。あれはゲテモノである。

フルトヴェングラーのバイロイトライヴに対しては、そろそろ、その価値を見直す時期が来ていると思う。

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コメント

興味深く拝見いたしました。
ベートーヴェンが言いたかったことを言っているのは、ただ1演奏、モントゥー/LSOと思います。
他は多かれ少なかれ、指揮者の主張が入ります。
フルトヴェングラー/バイロイトも確かに指揮者の主張が入りますが、でもベートーヴェンにも近いと思いますよ。
外れている人は他にいくらでもいるでしょう。

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