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2008年9月29日 (月)

ベートーヴェンの第九交響曲を聴き比べる(4)

Sawallisch1


Beethoven
Symphony No. 9
Margaret Price, soprano
Marjana Lipovsek, alto
Peter Seiffert, tenor
Jan-Hendrik Rootering, bass
Städtischer Musikverein zu Düsseldorf
Royal Concertgebouw Orchestra
Wolfgang Sawallisch
1992年 ライヴ録音

演奏時間
第1楽章 16'13
第2楽章 11'48
第3楽章 15'19
第4楽章 24'56

第3楽章は比較的テンポが速い。というか、これも、ほんの少しだけだが、テンポを次第に速めているように聞こえる。サヴァリッシュの第九は、第1楽章から第3楽章までは卓越した演奏。さらに彼の第4楽章は、私好みのオペラ的ワーグナー的演奏。具体的に言えば、第4楽章は独唱と合唱とを強調し充実させる演奏。あるいは、独唱と合唱とを強調し充実させんとする意図を感じさせる演奏。サヴァリッシュの第4楽章における独唱と合唱は、エキサイティングというよりグッドジョブという感じだが、少なくとも上記の意図を感じさせる。それ故に独唱と合唱が巧く聞こえるわけだが、やっぱり、そういう解釈が、第九交響曲の解釈として、正しいんじゃないかと思う。この交響曲は、第1楽章から第3楽章までの3つの楽章が、ベートーヴェンの過去に作曲したどの交響曲より優れていることを聴衆に示せばこそ、すなわち先立つ3つの楽章の充実によってこそ第4楽章が生きるわけだが、何といっても第4楽章が勝負だと思う。

ベートーヴェンの言いたかったこと、そして、第九交響曲の意味は以下ではないだろうか。

「器楽だけの交響曲も素晴らしいが、声楽が入った交響曲はそれ以上に素晴らしい」

第4楽章において、第1楽章から第3楽章までの三楽章の一部を提示したこと。それらを "Nicht diese Töne" というステートメントで否定したこと。そのことは、4つの楽章に明確な意味を与えてしまった。

ところで、サヴァリッシュは、ライヴの人だと思う。Wagner: The Great Operas from the Bayreuth Festival における「オランダ人」「タンホイザー」(1961, 62年ライヴ録音)には久しぶりにオペラを聴いて泣かされた。「ニーベルングの指輪」全曲(1989年ライヴ録音)は巧い。上記第九もライヴならではの良さが聴ける。一方「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲(1993年スタジオ録音)は(まだ一度しか聴いてないが)熱気というものが皆無だったように思う。


【HMV.co.jpへのリンク】

ベートーヴェン:交響曲全集
サヴァリッシュ指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
1991 - 93年録音
BRILLIANT CLASSICS
Licensed courtsy of EMI Classic

Sawallisch2

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