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2008年5月26日 (月)

ゲルギエフのマーラー1番

240

マーラー:交響曲第1番[Hybrid SACD]
ワレリー・ゲルギエフ
ロンドン交響楽団
2008年録音

ゲルギエフという人は外見がむさ苦しいので、脂ぎったギトギトした演奏しかできないのかと思ってたら、違った。「バーンスタインは外見が格好いいから、演奏も格好いいげど、ゲルギエフは・・・」などと、人を外見で判断してはいけない...と反省した。私はゲルギエフが緻密に計算された知的な演奏もできるとは知らなかった。たとえば第1楽章はポリフォニーが効果的な楽章だが、そのポリフォニーが、かぶらず、ちゃんと聞こえる。そしてその第1楽章と続く第2楽章だけ聴けば、たしかに脂気が多いように聞こえた。しかし、そのあと、第4楽章で修正される。第1楽章が第4楽章への伏線としてよく生かされていることに気づく。繰り返すがゲルギエフは脂ぎった高カロリーの演奏しかできないと思っていたが、そうではなかった。このマーラーはヘルシーだ。

第4楽章は素晴らしい。以前に書いた「最初に出てくる第2主題より、むしろ展開部で再度出てくる第2主題の方が、より官能的に聞こえなければならない(参照先)」という私の解釈を、ゲルギエフは、ちゃんと実践してくれていると思う。ゲルギエフには、バーンスタインの見通し良さ、語り口の上手さは感じない。しかし、彼は、それに代わる何かを持っており、バーンスタインのスタイルとは違うやり方で、音楽にストーリーを与えているように思う。私はそれを第4楽章に非常に強く感じる。それは「節度」かも知れない。ゲルギエフの第4楽章は微妙なところで抑制されているように感じる。たとえば展開部でコーダへ入りかけるのを下記(midi)が邪魔する箇所は、非常にうまくコントロールされていると思う。

Mahler_1_4

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