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2008年3月31日 (月)

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲聴き比べ(6)

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ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(65年録音)
ロマンスNo.2(65年)
ヘンリク・シェリング
ハンス・シュミット=イッセルシュテット
ロンドン交響楽団

第1楽章 25'24 カデンツァ:ユーゼフ・ヨアヒム
第2楽章 10'17
第3楽章 9'45 カデンツァ:C. Flesch

シェリング&イッセルシュテットの「作品61」は、LPレコードを持っている。それは私にとって、長い間、愛聴盤であったし、また「作品61」のベストでもあった。

第1楽章はイッセルシュテットの解釈が素晴らしい。ベートーヴェンがスコアに記した音楽が、自然という河の流れるように流れる。

第1楽章においてヨアヒムによるカデンツァの完全版が聴けるのは、シェリング新旧盤だけかも知れない。

改めて聴いてみて思うことは、第1楽章の展開部と再現部の意味と役割が、よく見えること。すなわち、2つの提示部が上記のように自然な流れで提示された後、展開部が「起承転結」の「転」の役割を果たし、再現部が「結」の役割を持っていることが、よく分かる。「作品61」の第1楽章が「長い2つの提示部を持つこと」「再現部で、それぞれの音楽的パーツが主調に戻ること」の「意味」が、「からくり」が、シェリング&イッセルシュテットの演奏によって、よく分かるような気がする。

しかし、第2楽章以降は、上記の意味での「語り口」に物足りなさを感じる。第1楽章における「提示部」「展開部」「再現部」の弁証法を、第2,3楽章を含む全楽章に感じさせて欲しい。


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ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(73年録音)
ロマンスNo.1,2(70年)
ヘンリク・シェリング
ベルナルト・ハイティンク指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

第1楽章 26'02 カデンツァ:ユーゼフ・ヨアヒム
第2楽章 9'33
第3楽章 10'14 カデンツァ:おそらくユーゼフ・ヨアヒム

旧録音と新録音には、イッセルシュテットのドイツ的職人芸と、ハイティンクの軽佻浮薄という違いが存在する。同様に、シェリングの演奏もまた旧録音のほうが老獪であり、新録音のほうが稚拙に聞こえる。新盤には、旧盤に感じるヘヴィーな印象がない。演奏時間は第2楽章に差が認められる。新盤は、第2楽書を速めのテンポで演奏している。

ところで、第1楽章におけるヨアヒムのカデンツァは、どういうわけか、重要であるはずの第1楽章の「第1主題」をほとんど扱わない。私はそれに不完全さを感じる。新盤の第3楽章のカデンツァは旧盤と異なり、華やかなものを採用している。

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