2017年1月15日 (日)

マーラー作曲 交響曲 第5番 嬰ハ短調 第1部(第1、2楽章)について/アナリーゼ失敗・挫折/← この記事は火災で焼損したシノーポリのマーラー全集を再取得したのをきっかけに書きました

Sinopoli

Mahler: Die 10 Symphonien & Orchesterlieder
Giuseppe Sinopoli
Edita Gruberová, Waltraud Meier, Bryn Terfel u. a.
Philharmonia Orchestra
Staatskapelle Dresden
AMbient Surround Imaging
Eloquence

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皆さん、よくご存知と思いますが、ウィキペディアによると、マーラー作曲「交響曲第5番」の「第2楽章は、第1楽章の素材が随所に使われ、関連づけられている」とのことです。しかしながら、私は、その関連性が分からないので、とにかく、同曲の第1、2楽章の主な素材を、楽譜作成ソフト「Finale」にコピーして勉強してみました(以下、譜例に付した「説明文」は、ウィキペディア、および、グスタフ・マーラー全作品解説事典より)。

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第1楽章
葬送行進曲(正確な速さで〈tempo giust=心拍の速さで の意味?〉。厳粛に。葬列のように) 嬰ハ短調 2分の2拍子 二つの中間部を持つABACAの形式(小ロンド形式) 最後のAは断片的で、主旋律が明確に回帰しないため、これをコーダと見て、ABAC+コーダとする見方もある。

【譜例1】 交響曲第4番第1楽章で姿を見せたトランペットの不吉なファンファーレが、重々しい葬送行進曲の開始を告げる(ABACAの最初のA)。(midi
Mahler_05_1_a_2

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【譜例2】 譜例1の続き。(midi
Mahler_05_1_b

・・・

【譜例3】 譜例2の続き。(midi
Mahler_05_1_c

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【譜例4】 譜例3の続き。(midi
Mahler_05_1_d

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【譜例5】 (A)の主要主題は弦楽器で「いくらかテンポを抑えて(Etwas gehaltener)」奏され、付点リズムが特徴。この主題は(例えば譜例6のように)繰り返されるたびに変奏され、オーケストレーションも変化する。(midi
Mahler_05_1_e

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【譜例6】 (再びファンファーレの導入句がきて)主要主題(譜例5)が変奏される(A)。(midi
Mahler_05_1_ee_temp_2

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【譜例7】 ふと心なごむかのような、新たな楽想(A)。(グスタフ・マーラー全作品解説事典より
この旋律は、第2楽章に出てくると思う(シノーポリ盤で6分21秒あたり)。(midi
Mahler_05_1_f

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【譜例8】 (ABACAの最初のA)の終わり。(midi
Mahler_05_1_ff_2

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【譜例9】 さらにファンファーレが顔を出すと、「突然、より速く、情熱的に荒々しく(Plötzlich schneller. Leidenschaftlich. Wild.)」第1トリオが始まる(Bの始まり)。(midi
Mahler_05_1_g

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【譜例10】 譜例9が2回出た後、ヴァイオリンに。刹那的な希望を感じさせる、上行と下行を含む動機が現れる(B)。(グスタフ・マーラー全作品解説事典より)(midi
Mahler_05_1_h_2

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【譜例11】 (やがてトランペットがファンファーレを出して)主部が回帰する。主要主題(譜例5)は今度は木管に出る。(ABACAの2つ目のA)(midi
Mahler_05_1_hh

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【譜例12】 チェロに、譜例7が再現する(2つ目のA)。
【当ブログ開設者より】 え〜っと、この旋律は、第1楽章の第2主題じゃないかと思えるのだが…。(midi
Mahler_05_1_hhh

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【譜例13】 2つ目のAの終わり(多分、第312小節〜)には、『亡き子をしのぶ歌』の第1曲「いま太陽は晴れやかに昇る」からの引用があり、ティンパニのきざむリズムが残る。(midi
Kindertotenlieder_3

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【譜例14】 第2トリオ(C)(イ短調)は弦によって始まる陰鬱なもの。(midi
Mahler_05_1_i

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【譜例15】 譜例14の続き(C)。言うまでもないことだが、マーラーは、譜例15のような3連符のリズムパターンを、第1楽章においても、第2楽章においても、好んで使っている。(midi
Mahler_05_1_ii

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【譜例16】 「第1楽章の終わり」=「ABACAの3つ目のA」または「ABAC+コーダのコーダ」の終わり。
悲しみの頂点で、トランペットと大太鼓が残って、曲は、静かに結ばれる。(mp3
Mahler_05_1_jj

・・・

【まとめ】 マーラー作曲「交響曲第5番 第1部(第1楽章と第2楽章)」の関連は、同曲第3部(第4楽章と第5楽章)の関連に比べると関連性が小さいと思う(あるいは、それは複雑で分かりにくいと思う)。けだし、同曲第2楽章において、第1楽章の素材は「現れるがすぐに消えていく」。私が、第1部において「パロディー」と見なすのは『亡き子をしのぶ歌』(譜例13)だけだ(また、私が重視する旋律は、譜例7だけである)。少なくとも、同曲第1部には、同曲第3部の第4、5楽章間に存する明快な関連はないと思う:すなわち、後者の関連性=同曲第5楽章に、マーラーの「のろけ」が聞かれること(=あからさまなパロディー。愛の調べ。下記)。

フィナーレで「これでもか、これでもか」というほどの歓びを表す音楽は、第4楽章の中間部(譜例4、midi)である。そして、第4楽章のこの旋律が、フィナーレをクライマックス(譜例1)へと導く。

Mahler_5_4_28
マーラー作曲「交響曲第5番」第4楽章の中間部(譜例4、midi

・・・

あ〜、くたびれた。

(続かない)

・・・

【2017−1−13 追加】

あ、そういえば、マーラーの曲って、意外に、ユニゾンが多いですね。譜例11など。

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【2017−1−14 追加】

マーラー5番、いつかもう一度ゆっくりアナリーゼしてみようか!

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【2017−1−16 注意】

上記譜例、正確でない部分がある可能性は、当然あります。

2017年1月 5日 (木)

量子コンピューター実現に不可欠な技術開発 東大(2016年1月3日)/【参考1】 量子テレポーテーションとは?/【参考2】 アインシュタインと量子テレポーテーション

量子コンピューター実現に不可欠な技術開発 東大

現代のスーパーコンピューターでは何千年もかかると言われる極めて複雑な計算を、わずか数時間で解くという、夢の超高速コンピューター「量子コンピューター」の実現に向けて、東京大学のグループが世界的に注目されている「量子テレポーテーション」と呼ばれる現象をめぐり、重要な成果を得たことがわかりました。超高速コンピューターの実現に欠かせない、情報の瞬間移動を無制限に繰り返せるようにする新たな技術の開発の成功で、グループではことしから大規模な計算を精度高く行うための研究を本格化させることにしています。(2016年1月3日 18時37分 NHK オンラインより)

(下に続く)

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2016年12月31日 (土)

大晦日を迎えて(2016年12月31日)/【本題】 2016年に私が購入したCD ベスト10(2016年12月31日)

大晦日を迎えて、風呂に入りながら、考えました

今年は何もなかったな〜

いや! あった!

2016年(平成28年)10月23日、今度は、私の彼女のアパートが、ほぼ全焼しました

2009年(平成21年)12月27日の私の自宅火災

私は火事に縁があるようです

数年後、いや、来年、

また、私の家が、火事になるんじゃないか!

私はまだ、2009年12月の「PTSD」から立ち直ってないよ ヤレヤレ

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【本題】

2016年に私が購入し、気に入ったCDベスト10(順位なし)。
ただし、録音または発売日が比較的新しいもの。

Lauds_and_lamentations

Lauds and Lamentations - Music of Elliott Carter and Isang Yun
Heinz Holliger, Oboe
Thomas Zehetmair, Violin
Ruth Killius, Viola
Thomas Demenga, Violoncello
2001 / 02 年録音
ECM

Soli

SOLI
Works for Solo Violin by Bartók, Penderecki, Benjamin, Carter and Kurtág
Tamsin Waley-Cohen, violin
Recorded at the Menuhin Hall, Yehudi Menuhin School, Surrey, UK from 20th to 22nd September 2014.
Signum Records

Pine

Testament
Johann Sebastian Bach
Complete Sonatas and Partitas for Solo Violin
Rachel Barton Pine, violin
Recorded: 16–18 April, 28–30 May, 29 & 31 August 2015, St. Pauls United Church of Christ, Chicago

Avdeeva

Chopin:
Sonata in B-flat minor
Scherzo in C-sharp minor
Mazurkas Op. 30
Nocturne Op. 27 No.1
Piano Concerto in E minor Op.11
etc.
Yulianna Avdeeva
Warsaw Philharmonic Orchestra
Antoni Wit
2010年録音

Bruckner

Bruckner: Sinfonie Nr. 7
Wagner: «Das Liebesmahl der Apostel»
Staatskapelle Dresden
Christian Thielemann
2012/13年録音

Bruckner

Bruckner: Sämtliche Sinfonien [12 CDs] Box-Set
Philharmoniker Hamburg
Simone Young
2006/15年ライブ録音

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【録音は古いが、とても気に入ったもの】

Walter

Bruno Walter conducts Beethoven
Symphonies Nos. 1-9, Violin Concerto in D major, Op. 61, Rehearsal excerpts
1958 / 59年録音
SONY

Vespro_01

モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り
ティチネッリ=ファットリ、フェッラチーニ=マラカルネ(ソプラノ)、シュヴァルツ(アルト)、タピー、キュエノー(テノール)、フッテンロッハー(バリトン)、フィッソーレ、ルー(バス)
ローザンヌ声楽&器楽アンサンブル
ミシェル・コルボ(指揮)
録音:1966年

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【次点】

Frang

Britten & Korngold
Violin Concertos
Vilde Frang, violin
Frankfurt Radio Symphony
James Gaffigan, conductor
2015年録音
warnerclassics.com

Roe

BRITTEN/BARBER: Piano Concertos and Nocturnes
Elizabeth Joy Roe, piano
London Symphony Orchestra
Emil Tabakov, conductor
Recording: Cadogan Hall, London, September 20-22, 2013
Piano: Steinway & Sons
DECCA

Christensson

Henning Mankell (1868-1930)
Solo Piano Works
Anna Christensson, piano
2008年録音
PHOENIX EDITION

Genia

GÉNIA: UNVEILED
Music from Russia's Women Composers
Génia, piano
Recorded at Gateway Studio, December 1999 and March 2000
BLACK BOX BBM1039

Waleycohen

Roy Harris and John Adams
Violin Concertos
Tamsin Waley-Cohen, violin
BBC Symphony Orchestra
Andrew Litton, conductor
Recorded from 4th to 6th April 2016 in Studio 1, BBC Maida Vale, London, UK.
www.signumrecords.com

Thielemann

Anton Bruckner (1824-1896)
Symfonie Nr. 5 in B-Dur (1878)
Münchner Philharmoniker
Christian Thielemann
2004年録音

今年は豊作か?

2016年12月30日 (金)

カール・アマデウス・ハルトマン:交響曲集(3)/聴き比べ/同交響曲集「インゴ・メッツマッハー EMI 盤」vs.「Challenge Classics 盤」

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-e053.htmlの続き

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Metzmacher

Karl Amadeus Hartmann (1905-1963)
Symphonies 1 - 6 (2 CDs)
Bamberger Symphoniker
Ingo Metzmacher, conductor
EMI
Barcode: 5099909466623

Hartmann

Karl Amadeus Hartmann
Symphonies Nos. 1-8
Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
Netherlands Radio Chamber Philharmonic
Gaffigan / Metzmacher / Poppen
Schønwandt / Stenz / Vänskä
Challenge Classics
CC72583

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「カール・アマデウス・ハルトマン:交響曲集」聴き比べ。

以下、「インゴ・メッツマッハー EMI 盤」vs.「Challenge Classics 盤」を聴き比べる。

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【前置き】

九鬼 蛍さんのサイト「幻想旅人團 後の祭り/ハルトマン」が、非常に参考になります。そのサイトは、下記のキーワードで検索できます:

キーワード:第1交響曲「レクィレムへの試み」〜女声とオーケストラのための〜ウォルト・ホイットマンの詞による

上記のサイトは、本当に参考になります。すなわち、ハルトマンの交響曲全集を聴くとき、その全体像俯瞰、および、各作品鑑賞への良き手引きとなります。

※ ちなみに私はこのエントリーから九鬼 蛍さんのサイト「幻想旅人團 後の祭り」へのリンク承諾を頂いております。

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【交響曲第1番『レクィエムの試み』】

【歌詞対訳】

とりあえず、交響曲 第1番『レクィエムの試み』の歌詞対訳してみたが、悪い訳になってしまった。どなたか正しい訳をご教示下さい。宜しくお願いします。(KM)

カール・アマデウス・ハルトマン作曲 交響曲 第1番『レクィエムの試み』ウォルト・ホイットマンの詩に基づく (1948 rev. 1954 - 55) 歌詞対訳

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コルネリア・カリッシュ(メゾ・ソプラノ)インゴ・メッツマッハー(指揮)より、キスマラ・ペッサーティ(アルト)マルクス・シュテンツ(指揮)の方が粗いが、後者の方が迫力ある。つまり、(前者も録音は良いが)後者は大音量で聴くと迫力あり、後者のキスマラ・ペッサーティ(アルト)の方が説得力ある歌唱をしていると思う。インゴ・メッツマッハーは、音楽的にまとまりのある指揮をする人である。それに対し、マルクス・シュテンツは、この交響曲第1番で、「爆演」型の指揮をしていると思う。

※ 「Challenge Classics 盤」は、複数の指揮者に、指揮を分担させたことが、成功していると思う。オケに問題なし。録音は、大音量で聴くに耐えるもの、すなわち、良好だと思います。

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【交響曲第2番『アダージョ』】

この作品は、単一楽章であり、標題が『アダージョ』なので、終始、アダージョの静かな曲かと思ったら、上記、九鬼 蛍さんもご指摘の通り、「アダージョといっても、アダージョ〜激しい部分〜アダージョのアーチ形式。
低絃からアダージョが開始され、すぐに厳しいモダン音調となるも、アダージョは続けられる。いきなり日本の民謡っぽい(笑)妙な旋律がソロで提示される。チェロっぽい響きだが、これはバリトンサックス。テンポを上げながらそれが変奏されて行く(中略)10分ほどでその加速は頂点に達し、打楽器も激しく、マエストーゾになって伽藍を築く。」
←その頂点において、あるいは、その前後において、ジェイムズ・ガフィガン盤(Challenge Classics)は、激しく、エキサイティングに《盛り上がる》のが気持ちいい・・・が、ガフィガンの指揮は全体的に少し粗いと思う。

インゴ・メッツマッハー(指揮)は、テクスチュアがよく聞こえ、この作品の《構成》を美しく流していると思う・・・が、ガフィガン(指揮)の熱演に比べれると、少しゆるいと思う。

この作品において、《聞きやすさ》を求めるならメッツマッハー、《迫力》を求めるならガフィガン。

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【交響曲第3番】

I. Largo ma non troppo - Allegro con fuoco (Virtuose Fuge)
II. Adagio (mit bewegtem Ausdruck) - Andante - Allegro Moderato - Andante - Adagio

私は、この交響曲は、嫌いだ。

この交響曲は、九鬼 蛍さんが、お書きのように「中途半端」っぽい。もしかして、中途半端、かつ、しつこい?

この交響曲の第1楽章「ラルゴ」の「弦楽五重奏のフガート」は、バルトークの弦楽四重奏曲第1番っぽく聞こえる。後半「アレグロ・コン・フォーコ(ヴィルトゥオーゾ・フーガ)」。「コン・フォーコ」は「熱烈に・火のように」の意。←しかし、第6番の第2楽章に比べると、オルガズムに達しないまま終わるようだ。

第2楽章は、九鬼 蛍さんが、お書きの通り、シンメトリー構成構造。すなわち、「アダージョ(動的な表現で) - アンダンテ - アレグロ・モデラート(ほどよく快速に) - アンダンテ - アダージョ」
第2楽章にて、ストラヴィンスキーや、フランス音楽、さらには、ワーグナーっぽさが聞けるが、それらは、私には面白くない。

・インゴ・メッツマッハー(指揮)、ジェイムズ・ガフィガン(指揮)について

交響曲第3番も、第2番と同様に「《聞きやすさ》を求めるならメッツマッハー」。すなわち、前者メッツマッハー(指揮)は「しつこさ」を補う演奏(それでも退屈する)。前者は、第2番と同様、テクスチュアがよく聞こえる。後者ジェイムズ・ガフィガン(指揮)は、前者より粗いと思う。

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【交響曲第4番(弦楽オーケストラのための)】

Symphony No. 4 for String Orchestra (1947)

I. Lento assai - Con passione
II. Allegro di molto, risoluto
III. Adagio Appassionato

私は、この作品も、あまり好きではない。

この交響曲も、九鬼 蛍さんのページが非常に参考になる。

弦楽器だけで演奏される、しかも、ある意味、変化に富んだ作品。ただし、九鬼 蛍さんが言うように、本当に「ラストは、一気に消える印象がある。」

同じことばかり書いて悪いが、第4番も、インゴ・メッツマッハー(指揮)はテクスチュアがよく聞こえ、構成力のある演奏であり、しかも、熱演・・・良い演奏だと思う。メッツマッハー(指揮)より、マルクス・シュテンツ(指揮)のほうが熱演だが、前者のほうが聞きやすい・・・前者の演奏において、この作品が論理的に聞こえるかも知れない。

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【交響曲第5番『協奏交響曲』】

Symphony No. 5 - Sinfonia Concertante (1950)

I. Toccata (Lebhaft)
II. Meldoie
III. Rondo (Lustig - Sehr lebhaft)

ハルトマンの交響曲第3、4番が、他の作曲家の語法を匂わせる点において(←私の主観)、私は、それら(ハルトマンの交響曲第3、4番)を、好きではなかった。だが、しかし、自己矛盾するようだが、「(第)2楽章は、ストラヴィンスキーへのオマージュとすらある」交響曲第5番を、ストラヴィンスキーを苦手とする私は好きである。なぜなら、同交響曲が、ハルトマンの作曲家としての技術力を示す一作であるからだ。

この作品の成立の経緯は、トランペットと管楽器のための協奏曲(1933)→管楽器とコントラバスと2つのトランペットのための協奏曲(1949)→第5交響曲「協奏交響曲」なのだそうな。

 従って、今作は変則オーケストラで、ホルンを除く木管金管の管楽合奏とチェロ、コントラバスである。(以上、九鬼 蛍さんのサイトより引用)

交響曲第5番は、言わば、「管楽器、チェロ、コントラバスのための協奏交響曲」。しかも、演奏時間が短い作品である。

第1楽章。いきなり、スケルツォが始まったかと思って、びっくりさせられる。しかし、それは、「トッカータ」だった。第3楽章「ロンド」も、諧謔的であり、余裕が感じられる。第2楽章(←ほとんど、管楽器だけで演奏される)は、テンポが遅い「メロディー」であるが、中間部は一部、諧謔的。

・インゴ・メッツマッハー(指揮)、ミカエル・ショーンヴァント(指揮)について

前者は、例によって、テクスチュアがよく聞こえ、アンサンブルも良いが、むしろ、余裕がありすぎて面白くないと思う。後者は、前者より、やや粗い。だが、後者のほうが、迫力があり、不気味さも感じられ、聞き応えあると思う。

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【交響曲第6番】

私の大好きな作品。

第1楽章は、調性が不安定な開始。単純な「短調」ではない。ある種の民族的な旋律に始まる(多分ファゴット、いや、イングリッシュ・ホルンかオーボエかな)、その旋律がオケと対話する。

第2楽章は、ペンデレツキの派手な音楽(たとえば、ポーランド・レクイエム)を、さらに10倍ぐらい派手にした音楽。私は、勘違いをしていた。コノ第2楽章が、「Dithyrambe ドイツ語、ディテュランベ、女性名詞、酒神賛歌、陶酔的賛歌」かと思っていた(単なる大ボケ)。「Dithyrambe」は、ハルトマンの交響曲第8番第2楽章に付けられた標題だった。しかし、上記サイトの九鬼 蛍さんも、ご指摘の通り、コノ第2楽章は、「バッカス的狂乱」と陶酔、そして、ある種、シニカル、パロディーを、私に感じさせる。そして、ドイツ的!

インゴ・メッツマッハー(指揮)は無難にまとめている。それに対して、クリストフ・ポッペン(指揮)は、かなり激しい(特に第2楽章)。←オーディオの音量を大音量にして、ポッペン(指揮)を聴いていると、途中で、思わず、さらに大音量、さらに最大音量にして、これらの第1、2楽章を聴いてしまう。

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【交響曲第7番】

ハルトマン:交響曲第7、8番については、私が、「メッツマッハー(指揮)交響曲第7、8番、ピアノ作品集(EMI 盤)」を所有していないので(廃盤)、「カール・アマデウス・ハルトマン:交響曲第7、8番 EMI 盤」と、「同 Challenge Classics SACD Hybrid 盤」を、比較することは出来ない。

・第1楽章
九鬼 蛍さんが、お書きの通り、「第1部は序奏とリチェルカーレ。ただしバロック的なそれではなく、現代的な複雑なもの。」おそらく、その「リチェルカーレ」は、たとえば、1分13秒あたりから木管で始まると思うのだが(間違えているかも知れない)、その「リチェルカーレ」は、一応、バッハのリチェルカーレのような音楽に聞こえる(ただし、出だしの約1分弱だけ)。その後の、フーガは、複雑であり、野蛮であり、バッハとは似ても似つかない。つまり、いかれている。

・第2楽章
オスモ・ヴァンスカが指揮する「アダージョ・メスト」は、たしかに痛々しいのだが、多分、情緒が足りないと思う。
11分41秒あたりで、「フィナーレ:スケルツォーゾ・ヴィルトォーゾ」に行く。←コノ「ハルトマンのハチャメチャな音楽」を、ヴァンスカ(指揮)は、大音量で聴くにたえる演奏をしていると思う。

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【交響曲第8番】

「ハルトマン:交響曲第8番 Challenge Classics SACD Hybrid 盤」は、「EMI 盤」と同じインゴ・メッツマッハーが指揮をしている。

第1楽章「カンティレーヌ(仏語)カンティレーナ(哀歌?)のこと」
第1楽章は、インゴ・メッツマッハー(指揮)をもってしても、うまくまとめるのは、難しかった、と、思わせられる。しかし、彼は、第2楽章で、もしかしたら、挽回しているかも知れない。アタッカで第2楽章へ。

第2楽章「ディテュランベ(独語)酒神賛歌、陶酔的賛歌:スケルツォ、フーガ」(多分、5分20秒あたりで、フーガに行く)
第2楽章を聞くと、結局、メッツマッハーという指揮者は、ハルトマンの支離滅裂な音楽(交響曲第8番第2楽章)を、《聞きやすく》演奏する能力を持っていると言っていいようだ。交響曲第8番第2楽章は、第6番第2楽章ほどは盛り上がらないが、私は、メッツマッハーが指揮する第8番第2楽章を嫌いではない。

カール・アマデウス・ハルトマン:交響曲集(2)/「Challenge Classics 盤」(交響曲第1〜8番)/6名の指揮者によって録音/収録情報

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/emi-vschallenge.htmlに続く

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-99ff.htmlの続き

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Hartmann

Karl Amadeus Hartmann
Symphonies Nos. 1-8
Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
Netherlands Radio Chamber Philharmonic
Gaffigan / Metzmacher / Poppen
Schønwandt / Stenz / Vänskä
Challenge Classics
CC72583

・・・

ディスコグラフィー。その2。

2014年発売の「Challenge Classics 盤」は、下記、6名の指揮者によって録音された。3枚組。交響曲第1〜8番。

ジェイムズ・ガフィガン
インゴ・メッツマッハー
クリストフ・ポッペン
ミカエル・ショーンヴァント
マルクス・シュテンツ
オスモ・ヴァンスカ
(アルファベット順)

・・・

[CD 1]

Symphony No.1, ‘Versuch eines Requiems’ (1948 rev. 1954-55)
Whitman, Walt - lyricist

1. I Introduktion: Elend “Ich sitze und schaue aus” 3:19
2. II Frühling - “Als jüngst der Flieder blühte” 4:48
3. III Thema mit vier Variationen 7:32
4. IV Tränen - “In der Nacht der Einsamkeit” 7:43
5. V Epilog: Bitte - “Ich hörte die Allmutter” 2:48

Netherlands Radio Philharmonic Orchestra,
Kismara Pessati, alto (1,2,4,5) Markus Stenz, conductor
Live recording 22 December 2012, Royal Concertgebouw Amsterdam

--

Symphony No.2, ‘Adagio’ (1945-1946)

6. Adagio 16:55

Netherlands Radio Philharmonic Orchestra - James Gaffigan, conductor
Live recording 26 January 2013, Royal Concertgebouw Amsterdam

--

Symphony No.3 (1948-1949)

7. Largo ma non troppo - Allegro con fuoco (Virtuose Fuge) 16:46
8. Adagio - Andante - Allegro moderato - Andante - Adagio 15:15

Netherlands Radio Philharmonic Orchestra - James Gaffigan, conductor
Live recording 22 September 2012, Royal Concertgebouw Amsterdam

total time 75:26

--

[CD 2]

Symphony No.4 (1947-1948)

1. I Lento assai - Con passione 14:47
2. II Allegro di molto, risoluto 9:19
3. III Adagio appassionato 6:41

Netherlands Radio Philharmonic Orchestra - Markus Stenz, conductor
Studio recording 12-14 November 2012,
Muziekcentrum van de Omroep Hilversum, Studio 5

--

Symphony No.5, ‘Sinfonia concertante’ (1950)

4. Toccata 4:47
5. Melodie 7:00
6. Rondo 4:01

Netherlands Radio Chamber Philharmonic - Michael Schønwandt, conductor
Studio recording 6-8 June 2012, Muziekcentrum van de Omroep Hilversum, Studio 1

--

Symphony No.6 (1951-1953)

7. I Adagio 13:23
8. II Toccata variata 12:01

Netherlands Radio Philharmonic Orchestra - Christoph Poppen, conductor
Live recording 11 May 2013, Royal Concertgebouw Amsterdam

total time 72:19

--

[CD 3]

Symphony No.7 (1957-1958)

1. I Introduction und Ricercare 9:16
2. II Adagio mesto cantanto e tranquillo
Finale: Scherzoso virtuoso 18:16

Netherlands Radio Philharmonic Orchestra - Osmo Vänskä, conductor
Live recording 12 January 2013, Royal Concertgebouw Amsterdam

--

Symphony No.8 (1960-1962)

3. I Cantilene 13:46
4. II Dithyrambe: Scherzo - Fuga 9:50

Netherlands Radio Philharmonic Orchestra - Ingo Metzmacher, conductor
Live recording 30 March 2013, Royal Concertgebouw Amsterdam

total time 51:19

・・・・・

【同盤日本語による商品説明(HMV.co.jp より)

カール・アマデウス・ハルトマン(1905-63)
交響曲全集(3SACD)
メッツマッハー、ヴァンスカ、シュテンツ、ショーンヴァント、ガフィガン、ポッペン、オランダ放送フィル
Challenge Classics

【収録情報】

Disc1

● 交響曲第1番『レクィエムの試み』

 キスマラ・ペッサーティ(アルト)
 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
 マルクス・シュテンツ(指揮)

 録音時期:2012年12月22日
 録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

● 交響曲第2番『アダージョ』

 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
 ジェイムズ・ガフィガン(指揮)

 録音時期:2013年1月26日
 録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

● 交響曲第3番

 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
 ジェイムズ・ガフィガン(指揮)

 録音時期:2012年9月22日
 録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

Disc2

● 交響曲第4番

 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
 マルクス・シュテンツ(指揮)

 録音時期:2012年11月12-14日
 録音場所:ファン・デ・オンレープ・ヒルヴェルスム音楽センター、スタジオ5
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

● 交響曲第5番『協奏交響曲』

 オランダ放送室内フィルハーモニー管弦楽団
 ミカエル・ショーンヴァント(指揮)

 録音時期:2012年6月6-8日
 録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

● 交響曲第6番

 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
 クリストフ・ポッペン(指揮)

 録音時期:2013年5月11日
 録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

Disc3

● 交響曲第7番

 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
 オスモ・ヴァンスカ(指揮)

 録音時期:2013年1月12日
 録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

● 交響曲第8番

 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
 インゴ・メッツマッハー(指揮)

 録音時期:2013年3月30日
 録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO

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